このページは,主に大気海洋分野で用いられるデータ解析・描画ツール NCL (NCAR Command Language) の使い方に関するページです。
もともとは2015年3月に東京大学地球惑星物理学科の4年生有志(メンバー)で行った「NCLセミナー」の資料をまとめたもので,Web上に日本語で書かれた情報が少なかったので公開しました。
主催者の関澤が少しずつ内容を更新してきましたが,2021年11月20日に更新を終了しました。
NCL (NCAR Command Language) は,アメリカ大気研究センターNCARで開発されている大気海洋分野のデータ解析・描画ツールです。NetCDF3/4をはじめとして,binaryやASCII,GRIBなど,幅広いデータ形式に対応しています。
豊富な組み込み関数が用意されているのがNCLの特徴の1つであり,その中身を把握していさえすれば,解析を行うには非常に便利です。また,描画に関しても細かな設定が可能で,凝った図(例)を作成することができます。本ページではそんなNCLの基本的な使い方をまとめています。
詳しくは,本家NCLのページを参考にしてください。ここよりもはるかに情報が豊富です。
このページがNCL入門の助けになれば幸いです。
2019年,NCARより将来の大気海洋研究のためのデータ分析ソフト開発の言語としてPythonを採用した旨,また予算やスタッフの減少も相まって,今後NCLの開発を続けることが困難となった旨が発表されました。今後は,Geoscience Community Analysis Toolkit (GeoCAT) プロジェクトによって,NCLの機能のPythonツール(PyNGL,PyNIO,wrf-python,GeoCAT-Comp)への移行が進められるとのことです。一方で,以降NCLの開発プロジェクトは凍結されることになりました。ただし,これはあくまでもNCLの新しい開発が終了することを意味しており,NCLが直ちに使用できなくなったり,NCLを継続して使用するためにPythonの習得が必要となったりするわけではありません。
詳しくはこちらをご参照ください。
- Important letter regarding the future of NCL (2019年2月)
- Pivot to Python September 2019 Update (2019年9月)
いちNCLファンとしては,このような発表は少し残念なところもありますが,将来を見据えたツールの開発という観点からは致し方ないことです。それでも,直ちにNCLのユーザーがいなくなるわけではないですし,私(関澤)自身もしばらくはNCLに頼るつもりですので,このサイトの維持は継続します。
特に,これから新しくNCLを習得しようと考えている方におかれましては,上記の点に留意して頂ければと思います。
NCLからPython(PyNGL,PyNIO)への乗り換えには,このあたりのページが便利かもしれません。
※追記:2020年11月に追加アナウンスがありました。
NCLの図をPythonで可能な限り再現しようと試みたところ,MatplotlibやCartopyでほとんど再現できることが分かったため,今後PyNGLを開発し続けるメリットはないと判断して,PyNGLやPyNIOの開発も終了するそうです。
なので,描画に関してはNCLの図をMatplotlibやCartopyで再現する方法をサポートをしていこうということで,下のようなギャラリーができています。(PyNGLのように独立したものではなく,MatplotlibやCartopyでNCL-likeな図を描く過程の簡素化のために作られた機能,GeoCAT-vizを用いています)