宮坂 貴文

Takafumi Miyasaka
特任准教授
email
miyasaka (at) atmos.rcast.u-tokyo.ac.jp
個人サイト
http://www.atmos.rcast.u-tokyo.ac.jp/miyasaka/
http://researchmap.jp/miyasaka/

研究テーマ

亜熱帯海洋上に年間を通じて存在する亜熱帯高気圧の形成力学とその季節遷移を研究しています。
北太平洋の海面水温や大気循環にみられる十年規模変動の長期的な変調についても研究しています。

研究手法

気象観測データの解析、数値大気モデル実験の活用

論文

博士論文

標題:The Structure and Formation Mechanisms of the Subtropical Highs (亜熱帯高気圧の構造と形成メカニズム)

内容:世界各地の海盆(北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、南インド洋)において年間を通じて存在している定在性の亜熱帯高気圧の形成・維持メカニズムとその季節遷移を気象観測データに基づいて調べ、特に夏季については数値大気モデル実験を用いた検証を行いました。
夏季は大気・海洋・陸面相互作用に伴うフィードバックプロセスによる海洋性層雲に伴う放射冷却が高気圧を形成していることが、いずれの海盆においても確認出来ました。
しかし、冬季はこのプロセスが働きにくくなってしまうため、惑星規模波動に伴う大気循環が高気圧を励起する働きの方がより重要な海盆が多く、しかも、移動性の高・低気圧による補助も重要であることが分かりました。それらの相対的な重要性には各海盆間で違いがあることも分かりました。

中村・小坂研での経験

共同研究(博士課程)- 東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 大気海洋科学講座の山形研究室の方々と共同で、大気海洋結合モデルの開発をしました。このモデルを用いた研究成果が論文で発表されつつあります。

後輩へのメッセージ

身近な気象から気候変動、地球温暖化まで、様々な興味深い現象が存在しています。それらについて記述的に調べるだけでなく力学的に理解することは科学的に、そして実学的に意義あることだと思います。

経歴

桐蔭学園高等部普通科 卒業
1996:東京大学理科Ⅰ類 入学
1998:東京大学理学部地球惑星物理学科 進学
2000:東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修士課程 入学
2002:東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程 進学
2006:東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 博士号(理学)取得
2006:東京大学気候システム研究センター リサーチフェロー → 産学官連携研究員
2007:東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 学術研究支援員 → 産学官連携研究員 → 特任研究員
2011:東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員 → 特任助教
2018:気象業務支援センター 研究員 → 副主任研究員
2021:東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授

趣味

クラシック音楽鑑賞(ベートーベン、マーラーの交響曲がお気に入り)