気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

レポート:気象・海洋観測参加報告

東シナ海航海で得たもの

  • 日時:2011年6月20日-30日
  • 場所:東シナ海
  • 報告者:安藤 雄太 (三重大学大学院生物資源学研究科 博士前期課程1年)

Nagasaki-maru 2011年6月に東シナ海で長崎大学練習船「長崎丸」を使った気象・海洋観測に参加しました。詳細はこちら

この観測に参加して得たことを2点あげるとすれば、

  1. 他大学の学生の方と交流できた
  2. この観測には、長崎大の学生の他に、弘前大、東北大の学生も参加していました。学会や研究会などで交流する機会もありますが、長くても数日なので時間は限られています。今回の観測では、11日間という長い期間だったので、寝食を共にするうちに自然と距離が縮まりました。また、深夜も観測を行ったり、暴風雨の中で観測したりと大変なこともありましたが、困難なことを一緒にやり遂げた達成感を共有できました。この時出会った方々とは、今でも親しい関係で、会うたびに研究の議論や研究生活の話、その他何でも語り合っています。

  3. 観測計画の立て方を学ぶことができた
  4. 今回の観測の中には、私と同じ4年生の学生が観測計画を立てたものもありました。計画を立てたということは、その観測のリーダーです。観測のねらいや方法の説明、いつどこで観測を行うかの指示までします。それを同学年の方が行っているのは、参考になりますし、「自分で観測計画を立ててみたい」という目標もできました。この目標は意外と早く実現できました。2012年4月、三重大学練習船「勢水丸」を使った紀伊半島沖の黒潮上での気象・海洋観測では私が計画を立て、リーダーを務めました。実際は、天候の影響などで何度も観測計画を変更して、思い通りの観測はできませんでしたが、この時の経験が今回の観測につながっています。

たくさん書きましたが、一番伝えたいことは、「観測は楽しい」ということです。特に、観測データを使った研究をしない方にとっては縁がないと思われるかもしれませんが、現実に起こっている現象のデータがどのように取得されているのか、その現場を見るだけでも価値があります。今回の観測の参加者は、観測データ解析の人だけでなく、再解析データ解析の人、数値モデルデータ解析の人など様々で、自分の研究とは直接関わりがなくても積極的に参加しています。学年も学部3年から博士課程の大学院生まで幅広いです。つまり、観測に参加したいという気持ちさえあれば、分野や経験は問わないということです。もちろん、少人数しか参加できないときは、初心者の方は参加できないかもしれません。でも、そうでないときは、ぜひ観測に参加してみて下さい。研究生活にプラスになることはもちろん、研究に限らず多くのものを得ることができると思います。

皆さんと観測現場でお会いできることを楽しみにしています。


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