気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

レポート:海外滞在参加報告

ドイツに滞在して

  • 日時:2011年7月12日-8月17日
  • 場所:ドイツ・キール大学ライブニッツ海洋研究所
  • 報告者:小川 史明 (東京大学 先端科学技術研究センター 博士課程学生)

冬季、成層圏中高緯度において観測される長周期変動は、強い偏西風(極夜ジェット)の変動が卓越しており、時には対流圏大気循環もそれと結合的に変動し、地表の気候が影響を受ける場合もあることが知られています。成層圏における変動と対流圏における変動とがこのように結合することについて、中緯度海洋の暖流と寒流の合流域で見られる強い南北温度勾配が関係するのかどうかを調べることが、私の研究課題の一つです。私は2011年夏に、ドイツのキール大学ライブニッツ海洋研究所の研究室に約1か月滞在し、そこで利用されている大気大循環モデルをこの研究 の為に使わせて頂くと共に、キール大学の博士研究員の方との共同研究もスタートさせました。そこで強く感じたのは、真理を探求する研究の世界に、国籍は関係ないということです。実際、滞在した研究室のメンバーの国籍は様々で、私の共同研究者はモロッコ人です。国籍や肌の色は違っても同じ人間、似たような教育を受けているので考え方も似ており、プライベートでも親切でした。私は現地で積極的に交流し、多くの仲間を作りました。後の国際学会の会場で仲間達に再会できた時には、国籍の違いは殆ど気にならず、地球科学を研究分野とする「地球人」としての仲間意識を感じました。このように世界を舞台に活躍できることは、研究者の醍醐味だと思います。


キール大学ライブニッツ海洋研究所

キール大学ライブニッツ海洋研究所


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