気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

レポート:気象・海洋観測参加報告

伊予灘・豊後水道におけるゾンデ観測

  • 日時:2012年7月25日-26日
  • 場所:瀬戸内海
  • 報告者:岩崎 慎介(愛媛大学沿岸環境科学研究センター 研究員)

いさな 愛媛大学の郭先生が中心の観測に補助という立場で参加させて頂きました。目的は伊予灘・豊後水道に現れる潮汐混合域周辺の大気応答を観測する事でした。2日間の観測で、1日目は潮汐混合域や水温フロントの位置確認を行い、2日目にゾンデ観測を行いました。 愛媛大学が所有している「いさな」という14トンの船(右図)で 観測点は図1に示したとおりです。

晴天で海も比較的穏やかだったため、 大きなトラブルもなく観測を終える事が出来ました。 図2に、この観測から得られた水温と大気ポテンシャル温度の鉛直構造を示します。 潮汐混合に伴う冷たい海水の上に冷たい空気がドーム状に形成されている事が分かると思います。 瀬戸内海といった、かなり空間スケールの小さい海域で、海洋から大気への応答を観測的に調べたという事で、非常に価値のある結果だと思います。 また、実際に観測を行っている時も、急激に気温が下がり、自分が寒気ドームの中にいる事を実感出来ました。 夏季にもかかわらず、寒かったのを覚えています。 蒸し暑い時に、こういった寒気ドームを形成してくれる海と大気に優しさを感じます。 陸じゃないのが残念ですが。今思うと、この観測は私が沿岸域の魅力に引きつけられたきっかけの一つになっている気がします。

観測点

図1:観測点


水温と大気ポテンシャル温度

図2:水温と大気ポテンシャル温度


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