レポート:気象・海洋観測参加報告
白鳳丸での観測
- 日時:2013年4月2日-5月1日
- 場所:本州東方域
- 報告者:伊藤 大樹(東北大学大学院理学研究科 博士前期課程1年)
2013年4月の白鳳丸(右図)KH-13-3次研究航海に参加しました。
この航海では,主に海洋表層を対象とした物理・化学・生物観測と,気象観測を行いました。東京‐釧路‐下関(下図左 東京‐釧路,下図右 釧路‐下関)という航路で,モード水形成域の中心を通る直線的な高解像度観測と,ターゲットを追いかけて行う中規模渦の観測が主な実施内容でした。
計8つの低気圧から逃げながらの観測(下図 観測例,CTD観測)となりましたが,だらけることなく良いムードで取り組むことができました。船内でお酒を酌み交わしたり,入港先で一緒に観光したりする中で,他大学の学生や研究者の方々との距離もぐっと縮められたことが,観測時の良い雰囲気作りに繋がったのだと思います。
研究者の方々の生の議論や解説を,自分たちで観測して得たデータを前にして聴けるのも観測航海の大きな魅力でした。とれたての結果を前に,ここが渦の中なのか,ここでモード水ができているのか,とはっとした感動は今でも強く覚えています。観測の楽しさを痛感した貴重な1カ月間でした。
そして,この文章を綴る今,自身2度目の白鳳丸乗船中です。 2014年2月21日‐3月13日の期間行われるこの観測は,黒潮続流域及び黒潮続流再循環域において,厳冬期の大気海洋双方向作用を高時間分解能で観測しよう,というものです。 激しい海と大気の相互作用を目で,耳で,全身で感じています。前回の航海で親しくなった仲間や研究者の方々,そして新たに知り合う方たちと,充実した観測生活を送ることができています。 自分の研究対象である「海」を身近に感じ,様々な分野の方々と共に生活し,語り合い,学ぶことのできる観測は本当に楽しいです。


東京-釧路 釧路-下関

CTD観測