気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究 平成22年度~26年度

レポート:気象・海洋観測参加報告

黒潮続流域における船舶航空機同時観測に参加して

  • 日時:2013年6月28日-7月12日
  • 場所:黒潮続流域
  • 報告者:宮本 歩(東京大学先端科学技術研究センター 修士課程1年)

ゾンデ観測用のバルーンと私 私は2013年6月28日から7月12日にかけて調査船「かいよう」に乗船し,黒潮続流域で行われた観測航海に参加させていただきました.この観測航海の最大の特徴は,船舶観測と航空機観測を同時に行うことです.これにより,雲,エアロゾル,海面水温(SST),大気境界層の場を同時に観測できるので,雲やエアロゾルとSSTの関係が調べられるというわけです.

私は,ゾンデ観測とXCTD観測に従事しました(右図).ある時は定点で,またある時はSSTフロントを横切りながらと,実に多くの場所で(深夜にも!)観測を行いました.SSTフロントを横切るとSSTは一気に数℃も変化します.格子点データで見えるような変化とは異なる急激な変化を実際に見ることができました.

航空機との同時観測は航海の後半に行われました.霧が深かったりターゲットとなる下層雲がなかなか出なかったりと苦労はありましたが,なんとか同時観測を行うことができました.このオリジナリティのあるデータから,どのような知見が得られるのか,とても楽しみです.

イルカ 航海中には様々な出会いがあります.まずは,研究者の方,船員の方,同年代の学生です.航海中は色々な話を聞くことができ,非常に有意義でした.2つ目は,動物たちです.今回は,イルカ(右図),クジラ,鳥,トンボに出会いました.特に野生のイルカたちを見たのはなかなか新鮮な体験でした.これらの出会いはこの航海をとても豊かにしてくれました.

この航海は私にとって初めての観測航海でした.「理論」・「モデル」とともに地球科学において三本の矢のひとつである「観測」の一端に触れることができ,本当に貴重な体験をさせていただいたなと感じています.乗船を許可してくださった指導教官の中村尚先生,計画代表者の川合義美さんをはじめ,本航海で関わった全ての皆様に感謝します.ありがとうございました.

船上から見た航空機観測の様子

船上から見た航空機観測の様子


航空機から見た調査船「かいよう」

航空機から見た調査船「かいよう」



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